株式会社アイアイシー I.I.C.Inc., 取引先の皆様へ 個人情報保護方針 サイトマップ

株式会社アイアイシー 採用情報

日本人のサービスに対する価値観

「日本」と「欧米諸国」における「サービスに対する価値観」には
大きな隔たりが あると思います。

一番顕著な例が「レストランのウェイター」です。

あまり海外の渡航経験が少ない私でも、渡航先の「レストラン」で食事したことがあります。

日本人向けのレストランではそんなことは無いんですが、現地の人間も行くような、
ちょっとした 「レストラン」の場合、 チェックの時にチップを自分で書き込まされます。

これは「サービス(この場合ウェイターへの)の対価を支払う」ことが根付いている 「欧米」
ならではなんですが、 「日本」ではちょっとありえません。

先の文書で、もう「書き込まされます」という言葉を使う時点で、もう「ザッツ日本人」的な
発想なのですが、日本人は 「サービスはお金に表れない付加価値である」
という認識があると思います。

「ウェイター」は「客の好みの食材」や「好みの料理方法」から、
その日のお勧めの料理を提案したり・・・

料理に合うワインを・・・(それはソムリエか?イタリアンとかが多く、
フランス料理とかは行かないので不明) といったサービスをして くれるからお金を払う。
日本人にはちょっと違和感がありますよね。

ちょっと日本っぽくアレンジすると・・・
いつも行く定食屋に行き、そこの「おばちゃん」に「いつも肉ばっかり食べている」と指摘され、
「青魚は体にいいからと 「さば味噌定食」を」と勧められた・・・・。
チップ払えないですね(笑)。
(例えが悪い過ぎますか・・・
まぁ欧米でもチップが発生しないような安いレストランとかもあると思いますし・・・)

えーっと・・・・日本における高級レストランでもチップは発生しませんよね。
日本人は「受けるサービスが目に見えない、形にキチンと表れないものに対してお金を払う」
という感覚に対し、 なじみが薄いと言えると思います。

結局、それは「お金に表れない付加価値」であって、先ほど「定食屋」を例にとれば、
「常連さんを作ることで 定期的な収入を得よう」だとか「来店回数を増やすことで
結果的に利益をもたらそう」と言った 「今のお金よりも、先の信用」 「損して得とれ」
みたいな考え方、日本的な商慣習がそうさせているものだと思います。

しかし私は個人的に、この慣習が日本における「サービス産業の進化」を
停滞させているのではないかと感じています。

私自身が直面した問題を例に取り挙げます。
あるシステムの設計を依頼されました。
同規模の2つのシステムを2人のシステムエンジニアが担当しました。
1人のエンジニアは「顧客の要望を聴き、その必要性を検討した上で、
全ての要望を組み込まず、
10本のプログラムを 完成させました」。
「ただし、検討や調査を したことにより、トータルで30本のプログラムを作成するのと
同じぐらいの時間 (工数)を費やしました。」

もう一人のエンジニアは「顧客の要望を全て聴き入れ、
その必要性を全く検討せずに100本のプログラムを完成させました」 。

上記2人の作ったシステムが全く同じ効果をあげ、顧客側からは1人目には
「10 本分」の支払が、2人目には「100本分」の 支払がされました・・・。

ここまで極端で無くとも、実際のシステム開発では多かれ、少なかれ、あることです。
前者は品質(効率)のいいシステムを作ったにも関わらず、
対価(30本分)が払われていません。

確かに作ったのは10本ですから、致し方が無いと思われるかもしれませんが、
こ れは全く「製造業」的な発想ですね。

後者は明らかに無駄なものを作ってます。
しかも、前者のエンジニアの10倍の規模を作ってしまいました。

当然、「ランニングコストも10倍」です。
その後のコストも比べ物にならないほど変わっていくでしょう。
「無駄なものを作って、余計なコストが掛かる」・・・・。
顧客にとって、これほど不幸なことはありません。

しかし、どちらかと言うと後者のようなエンジニアの方が多いように思われます。
理由は二つあります。

  1. 顧客と調整、または検討や提案を行えるエンジニアが少ない。
  2. 検討や提案を行い品質(効率)のいいシステムを作ったとしても、
    作ったものに関する報酬しかもらえない。

この「1.」も深刻ですが、「2.」関してはもっと深刻です。

もしかすると「もっと効率的、効果的なシステムを作り出せるスキル(能力)がありながら、
経済的な理由でそれを実行できない」可能性があるわけです。

「日本人は形の見えないサービスに対価を払わないというのが慣習」と言い切って しまえば、
簡単ですが、そのことによって不利益を受けてしまうようであれば、
「タダより高いものは無い」と言わざるを得ません。

この辺りが「日本においてコンサルタントが育たない」「サービス業が成熟しない」
と言われる所以では無いでしょうか?
「サービスに対し、見合った報酬を払う」という行為が根付いてくれば、

先ほどの ような不幸な事例も少なくなっていくでしょう。
ただし、これらがすべて「顧客」すなわち「お客様」が悪いと言っているわけではありません。

どちらかと言うと「顧客にお金を出したくなるような魅力的なエンジニアがいな い」
という面の方が大きいと思います。

俗っぽく言ってしまうと、「金を出したくなるようなエンジニアがいない」からなのか
「金を出さないからエンジニアが 育たない」からなのか・・・。

「鶏が先か?卵が先か?」といった様相を呈してきましたが、
ここは敢えて言いた いと思います。

「お金を出させることが出来ないエンジニアが悪い」と。

少なくとも、「情報サービス産業」というサービス業である以上、
「サービスを提 供してその対価を受け取るのが仕事とてとらえるべき」と私は考えています。

システム開発・・・特に「適用業務開発」と呼ばれるような開発をされている
エンジニアの方に言いたい。

「私たちは製造業では無い。付加価値を想像するサービス業である」との気概を持って、
ぜひとも 「魅力あるお金を 出したくなるようなエンジニア」に目指していただきたい。

また、私自身も「そうありたい」と思っています。

「サービスは付加価値であり、対価を払わないというのが日本人の慣習であり価値観」
というのであれば、
「サービス業に従事する者としてはその価値観を打破して いこう」と思う次第であります。

しかし、日本人で「ソムリエ世界一」とかいるんだから、単なる「向上心の差だ」
と言われると何も言えないんですけど。